私は家庭教師派遣会社で教務職に居た際に、家庭教師手配をする際に心がけていたことがあります。
それが『生徒のレベルと先生のレベルがあまりにもかけ離れ過ぎないようにすること』でした。
例えば、5教科で150点の成績の生徒さんに、ナンバースクールやそれに準じた他県の高校出身の先生や、医学部の家庭教師をつけても、家庭教師自体が自分自身そのような経験も無いし、またそこから駆け上がるノウハウを知らない場合が多いです(※特に大学生の場合は尚更)。
以前、家庭教師派遣会社勤務時代に、千葉県の家庭教師手配業務を担当していました。その人は石川県の羽咋高校から、千葉大の法経学部に進学した大学生でした。羽咋高校といっても宮城県人的には「?????それ何県よ?聞いたこと無いし…」っていう印象でしょう。で、偏差値表を見ると54なので、まぁ宮城県でいうところの白石高校や築館高校とかみたいな、『県庁所在地から離れた郡部の進学校』ってヤツですわな。
その大学生に聞くと、いつもその羽咋高校では在学中ベスト10ぐらいの成績だったし、中学は学年一位だったそうです。まぁ当然ですわね、千葉大に現役で合格してるくらいですから。その彼に、家庭教師派遣会社で雇ったバイトのお姉ちゃんが、5教科150点の成績の生徒をつけたところ、後日その彼に生徒の印象を聞くと『生徒の「わからない」ということ自体、僕にはわからない…何故生徒はこういうところがわからないのか、僕にはまったく理解出来ない…』っと、話していました。
ゆえに、成績が低めの子に対して、ハイレベルな高校出身者をつけるのは結構ビミョーなんですよ…相性以上にまずは家庭教師の卒業した高校のレベルと、生徒の現状のレベルが小さいことが最重要だと私は思っています。
生徒のレベルよりもほんのちょっと高いレベルの出身高校の家庭教師の方が、最適なんですよね。ただ、なかなかそういう人って居ないんですよねぇ…特に東北大卒の人は尚更ね…
だから、家庭教師派遣会社時代、私が好んで使っていたのは東北福祉大生や東北学院大生でした。が、福祉大や学院大に募集広告を出しても、なかなか応募してこないんですよねぇ、これが…東北大生だとわんさか応募してくるのにね…
ゆえに私自身、生徒の中間・期末テスト時期が重なりすぎて、時々一人では複数人を教えきれないときに、元生徒を中心にその友達・兄弟姉妹・親戚で構成される「助っ人」の講師陣は全員「非ナンバースクール・館山・向山出身者」にしているのですよ。じゃないと、私の生徒の指導に支障を来すんでねぇ…意外に使えるのがジークフリート線上の高校(仙商・塩釜・泉松陵・名取北・仙台西・市工・県工)出身の人なんですよね。高校の雰囲気を伝えてくれるし、レベルが近いので、わからないところにも届くし、「ココ、いま覚えなくていいよ」とバッサリ切って、短期間に成績が上がるところを必要な点だけに絞り込んでコンパクトに教えてくれるしね。
そうです、ハイレベルな高校出身者にはなかなか出来ない「今の点数よりもワンランク上の成績を取るために、今、何が必要で何が要らないか」、これが均衡したレベルの高校の出身者にはよくわかるのですよ。
それが私の私たる所以なんだと思います。我が子に100点取って欲しいと願うのは親としてよくわかります。が、現実問題、今30点取ってる子が急に100点など取れるもんじゃ無い。ゆえに、まずは刻んで50点・60点取りに行く。そして、その50・60点取るために、今のこの子に必要なもの・不要なものを分別してあげなければならないのですよ。
だから、全部大事だという家庭教師など不要ってわけ。そういうことが出来るのは、ある程度レベルが近い家庭教師じゃ無いと、なかなか出来ないんですよねぇ…