障害という現実に…

こういう仕事をしていると、私はちょっと生徒とかかわると、すぐに『ああ、この子なんか発達障害があるなぁ…』とか『ああ、その子は学習障害があるなぁ…』ってのがよくわかるようになってしまった。まあ私自身も何気そうなのでね。自分もぶっちゃけパターンで生きているので、休みの家に行ってしまったり、曜日をいじったイレギュラーな指導日を失念して行かないでしまうこともたまにはある。

 

なもんで、私は分かり次第、出来るだけ早くお母さんには伝えるようにしている。が、このお母さんは受け入れないだろうなっというのがわかる場合は、言わないことにしている。事実、私は自分の娘に発達障害があることを、すでに４歳くらいにはわかったが、嫁さんは受け入れないだろうなっと思って、ずっと口をつぐんでいた。が、娘が小３のときにドミニコ小の担任から言われて、ようやくわかったようだった。意外に、案外あっさり受け入れたことに、驚きを感じた。

 

その際に、『あんた分かってたの？』と言われて、「ああ、分かってたよ。だって俺の血が色濃く受け継がれてるんだもの」と答えると、矢継ぎ早に『いつから気づいたの？』と言われたので、「んー、４歳くらいかな。あんだに言っても受け入れてくれないだろうと思って、言わなかった。」っと答えた。

 

その後の嫁の娘への態度を見ていても、お世辞にも受け入れているようには一向に見えない。が、残念なことに私は男で、どうしても母親に比べて子どもと接する機会が圧倒的に少ないので、障害特性などを考慮した行動もしようとしていないし、そうした勉強会に行くように促しても行こうともしていないので、頭ではわかっているのかも知れないが、心はまだまだなんだろうなぁって、嫁の行動を見ていても、そう思っている。

 

 

しかし、そうとはいえどもそれでも知っていても、クレームを恐れて何も言わない人にはなりたくないなっと思っているのもまた事実なので、私は極力思っていることはお母さんには伝えることにしているし、病院も勧めている。対応が後手後手に回る方が厄介だと思うし、また受け入れてくれれば、いつかこちらに相談来る時があるかも知れないしなっという思いもあるから。が、逆に言えば深追いはせず、あまり何度も何度も言わないようにはしている。私は説得するのも違うなってことも分かっている。

 

最近では、私の指導方法もだいぶ確立してきており、障害特性に応じた指導も出来るようにはなった来ているが、かと言って、親が望むような刷新的な指導がでいているのかいうと、必ずしもそうではない。むしろごくまれに、その障害特性にドンピシャハマることがあるっていう程度だ。確率論としてはお世辞にも高くはない。それだけ学習障害児や発達障害児の指導で、抜本的・革命的な進歩を遂げさせることっては容易ではない。

 

今年も目下、３人ほどそういう子がいるが、５教科１００点未満の子に対する抜本的・革命的な進歩を遂げさせて欲しいと願わない親などいないものだ。なもんで、私は娘が発達障害を持っているので、目下飽くなき戦いをしている。

 

しかし、個人的にお母さんがそれを受け入れられる以上に難しいのは、その本人に障害を受け入れるようにすることではないかなぁって思うんだよね。で、一番受け入れてほしいのが、お母さん以上に本人なのだ。受け入れると、自分の生き方がかなり楽になる。自分の特性まで理解すると、自己誘導も出来るようになるから。私はちょいちょいいつもレギュラー指導とは違う曜日・違う時間にスケジュールの都合上せざるを得ないときに、生徒のお母さんには『私、パターンで動いている人なので、たぶん忘れると思いますので、当日の朝にお手数ですが、私に「先生、今日何時何分に指導ですよ」っと一報ください』とお願いすることが多々ある。だから失念して、休みのご家庭に行ってしまったり、曜日をいじったイレギュラーな指導日を失念して行かないでしまうこともたまにはある。なもんで頼んでいるってわけです。