字のことの続きなのですが、その前に1つ言っておきたいことがある。
私はたくさんの小・中学生、時々まれに高校生を教えることがあるが、息子さんをお持ちのお母さん方の約90%の人はやたら息子さんの字が汚いってことを言うお母さんばかりだ。私はこれが男子が字を書きたがらない最大の原因になっているって思うのだ。母親は当然女性だ。字がきれいか汚いかの基準はもちろんお母さん自身だ。
私はたくさんの小・中学生を教えてきたが、母親よりも字がきれいな息子さんを教える確率は1%未満だ。ぶっちゃけ、限り無くゼロだと思っていい。唯一私の元生徒でお母さんよりも字がきれいな息子さんは優しいジャイアン君ただ1人だけでしたから。
基本的に、男はどうしても女性より字をきれいに書けないものだ。故に、母親自身を基準に息子さんと比べるのはとても酷なことではないだろうか。
本当は母親こそが息子さんの良き理解者になるべきところが、現実問題その母親が一番高いハードルの目線で比べているので、息子さんは殊更字に対して劣等意識が強いのではないだろうか。
私も、子どもの頃、字に対して劣等意識がとても強かった。母親からは必要以上に『字が汚い、字が汚い』と言われるのが、たまらなくイヤだった。字が汚いと言う割には、どうしたら字がきれいになるのかも教えてくれないし、鉛筆で書くと尚更字が汚くなるので、中学生になってシャーペンになってから、だいぶ字がまともになり、私はそれから小学生時代ほど劣等意識が強くなくなり、幾分緩和された。
また、中学に入ってから、先生に『字が汚い』って言われなくなったことも大きい。小学校って、女の先生が多いので、字のことをとやかく言う先生が非常に多かったが、そう言う割には母親同様、どうしたらいいのか具体的なことを言う人は中三の小泉武一先生まで誰1人居なかった。
また、私が生涯初めての男の先生だった志津川小学校の荒川進先生→天真小学校の土井浩喜先生(現ドミニコ小学校非常勤講師)→利府中の阿部義久先生→小泉武一先生→電子高の橋本先生→電子高の岩倉丈夫先生と、天真小学校五年の昆あつ子先生を除いて全て男の先生になってからは、あまり字のことをとやかく言う先生自体が居なかったことも大きかったように思う。
やはり女の先生はもれなく私の字のことをとやかく言う方しか居なかった。一番でクソな先生は、塩釜第三小学校三年の時の担任の伊藤ひろ子先生だったが、この先生には死ぬほど『字が汚い』と罵倒されまくりだったし、この先生から一番ビンタされたので、本当嫌いだった。
しかし、私はいま教えていて、お母さんは『うちの子は字が汚いから』と言うが、指導して最初に男子をみた印象は『男子の中では一般的な字なので、全然汚くないですよ』と、だいたい言う。
私から見ても字が汚いと言われた男子は、南海の黒豹くんくらいで、真面目に書けば字がきれいだと言わしめたイケメン君(仮称)と矢吹丈君の3人以外、私は字のことをとやかく言うことは基本的には無いかな。
その辺り、お母さんはホント息子さんの字のきれいさ加減をご自身と比べて論じないであげて欲しい。
そして、もし字のことをとやかく言うのであれば、どうなったら字がきれいになるのかをお子さんに提示してあげて欲しい。抽象論では無く、より具体的にね。
小学生なら鉛筆じゃなく、ロケット鉛筆
そうして母親が言えば言うほど、字に対して劣等意識が強くなり、その結果書きたがらないようになるだけだから。
そうなれば、中学生になって、数学のワークに途中式を書かないのを助長することにもなるし、授業の板書も取らないようになるだけなんですよね。その結果、評定を下げる主要因になるだけなのでね。
通信簿2が増えれば増えるほど、公立高校には入れないことにもなり得るのでね…